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あいご

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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愛語

 やさしくいうこと。愛情のこもったことば。やさしいことば。親愛のことば。親しみある心のこもったことばで話す。人びとに対してはやさしいことばをかけよ、という教え。四摂法の一つ。この愛とは、好ましき、愛せらるべき、という意で、愛欲の愛(kāma)や、渇愛の愛(taṇhā (P), tṛṣṇā (S))というような自己中心的な愛とちがって、慈悲による利他の愛をさしている。このような慈悲の愛から発せられたことばが、愛語である。
 (P) peyya-vajja 〔『雑阿含経』vol26 T2-185a〕〔『集異門論』vol9 T26-403b〕
 (S) priya-ākhyāna〔『荘厳経論』度摂品〕〔『往生要集』T84-50a〕

 愛語者、是摂取方便、由無知疑惑者令愛義故
(S) priya-vāditā grāhajaḥ / avyutpanna-saṃdigdha-artha-grahaṇāt    〔『荘厳経論』度摂品〕

 人を慰める優しい言葉(慰喩語 saṃmodanī-vāc)と、悦ばしめる言葉(慶悦語 ānandanī-vāc)と、利益と安楽とを与える言葉(勝益語 parama-upakāra-vāc)とを語りかけること。このうち慰喩語と慶悦語とは随世儀軌語(世間の慣習に順じる語)、勝益語は順正法教語(正しい教えに順じる語)といわれる。菩薩の四摂事の一つ。