「一向宗」(いっこうしゅう)というのは、他宗派の者が浄土真宗、ことに本願寺教団を呼ぶ呼び方である。
「一向」とは、ひたすらとか一筋ということで、一つに専念することを意味している。これは『無量寿経 』にある「一向専念無量寿仏」から、阿弥陀仏の名号を称えることと解釈され、一向宗が親鸞を開祖とする浄土真宗の呼び名となった。
後に、浄土真宗の門徒たちを中心とする農民による一揆を一向一揆と呼ぶことなどで、浄土真宗は一向宗という呼び方を嫌い、正式に「浄土真宗」「真宗」と呼ぶよう指導があり、正式には使われなくなった。