pramāda (S)
放逸は心所(心のはたらき)の名。放縦にして欲望の働くままに流され、善を励まない心の状態。倶舎宗ではすべての染汚心(不善心と有覆無記心)と相応して起こる心所の一として大煩悩地法に数え、唯識宗では大随惑の一とする。 放逸とは逆に、悪を防ぎとどめ善に専注する精神作用を不放逸といい、倶舎宗ではすべての善心に通じて起こる心所の一として大善地法に数え、唯識宗でも善の心所の一とする。