阿閦仏
アクショービャ(Akşobhya)。大乗仏教の如来の名。サンスクリット語の音写で、正しくは阿閦婆あるいは阿閦鞞また無動、無瞋恚(むしんに)と訳される。
昔、この娑婆世界を去るはるか東方に、阿比羅提(あひらだい、アビラティ、Abhirati)と名づける浄土があり、そこに出現した大日如来の教えを受けて、怒りを断じて悟りを得ようとの願いをおこし、長年にわたり功徳を積んだ結果、ついに成仏したのが阿閦仏で、いまもその浄土で説法していると『阿閦国経』に説かれている。
インドにおいて阿閦仏の信仰は、西方の阿弥陀仏の信仰よりも古くから行われていたが、弥陀信仰が盛んになるに及んで衰えてしまった。