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しゃば

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

娑婆

sahaa सहा 娑訶 索訶、(具名:sahaalokadhaatu सहालॊकधातु 娑婆世界 娑訶楼陀)
サンスクリット語の「サハー」は、動詞「sah」の形容詞である「saha」から作られた女性名詞であり、「堪忍する」「忍ぶ」「がまんする」という意味であるから、sahaaは「忍土」「堪忍土」「忍界」などと訳されることもある。

 娑婆とは、我々が生きているこの世界をいう。
 なぜこの世界を娑婆というかということについて、『法華文句』では『悲華経』の訳を引いて説明する。これによると次のようである。

 この世界の人々は十悪を行うことに安んじて、何も反省することなく、一向に出離を願おうとしない。このように、この世界に安住している人々の姿から忍土という意味で「娑婆」と名づけたという。
 また、この世界に住んでいる者は、貪瞋痴という三毒を初めとして、さまざまな煩悩に悩まされながら、これを耐え忍んで生きていかなくてはならない。これから堪忍の土という。  さらに、仏道に志して修行をする人々が、ほかの人々を利益しようと努力するのに、これを中々素直に受けないで、迫害したり妨害するように、衆苦に悩まされる。しかし、このような苦労に堪えて修行を続けなくてはならないという意味で、堪忍土忍土という。  このように、いろいろの住人がいるから、娑婆を「雑会世界」とも言われる。

 このように、仏教でいう娑婆とはこの世界の人々の性格と、その悩みと、その悩みを克服して生きている人間の姿を示し、その実践を教えたものである。