かんぶつえ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
潅佛会
仏生会・浴仏会・龍華会・花祭ともいう。
4月8日、釈尊の降誕を祝して行なう法会。釈尊の降誕の時、龍が天から降りてきて香湯をそそいだという伝説〔摩呵刹経・鹿野苑の古石刻図〕によって、日本では毎年誕生日の四月八日に誕生仏に香湯・五色水・甘茶などを頂上からそそぐ。
誕生仏は、右手で天をさし、左手で地をさした立像で、20cmほどのものが多く、誕生の時、「天上天下唯我独尊」と宣言したとされる伝説を彫刻で示したもの。これを種々の草花で飾った花御堂に安置し、甘茶をそそぐのが一般である。
潅仏の行事は、インドでも行なわれたとする経典の記述はあるが、シナでは4世紀ごろから行なわれ、7・8世紀ごろから行事として広く行なわれるようになった。日本では、推古天皇14年(606)に元興寺で行なわれたのが最初であり、承和7年(849)に宮中で行なわれ、後には一般の寺院・神社にも普及し、現在は花まつりとして各宗に通ずる仏教行事として一般に親しまれている。
甘茶は、江戸時代以後のものらしいが、これをもらい受け、墨にして「ちはやぶる 卯月八日は吉日よ かみさけ虫を 成敗ぞする」の歌を書き、屋内にはり、害虫よけのまじないとした。これを龍華会と称することもあるが、長い将来の世に弥勒菩薩がこの世に下り生まれて龍華樹の下でさとりを開かれるという信仰があるので、この日を待つための法会である意味から名づけられた。
南方アジアのセイロン・ビルマ・タイ・ヴェトナムなどでは、ヴェーサーカ(Vesākha)月の満月の日(太陽暦の5月 15日から17日ころに当たる)に盛大に行なう。