操作

げんしょう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

現生

 現在の生。現世と同じ。その人の生きている一期を指す。

 即於2現生12一切法平等金剛三摩地1。  〔理趣経〕

現生十種益

 眞宗でいう、この世での10種の利益。

 金剛の真心を獲得すれば、横に五趣八難の道を超え、かならず現生に十種の益を獲。なにものか十とする。一つには冥衆護持の益、二つには至徳具足の益、三つには転悪成善の益、四つには諸仏護念の益、五つには諸仏称讃の益、六つには心光常護の益、七つには心多歓喜の益、八つには知恩報徳の益、九つには常行大悲の益、十には正定聚に入る益なり。〔信文類 末 p.251〕

1に冥衆護持の益。梵天・帝釈天・四天王・龍神八部などが、行者を護持しているということ。
2に至徳具足の益。信の一念に名号の至徳を発揮し、その功徳を悉くわが身に円満具足すること。

 それかの仏の名号を聞くことを得て、歓喜踊躍して乃至一念せんことあらん。まさに知るべし、この人は大利を得とす。すなはちこれ無上の功徳を具足するなりと。  〔無量寿経下 p.81〕
 仏の本願力を観ずるに、遇ひて空しく過ぐるものなし。よくすみやかに功徳の大宝海を満足せしむ。  〔浄土論 p.31〕

3に転悪成善の益。一念の信心を獲る時、すでに至徳を具足すれば三世の重悪を転じて尽く菩提の善とならしめること。
4に諸仏護念の益。十方恒沙の諸仏は行者を護念するということ。

 六方諸仏、念仏行者を護念したまふ  〔選択集 p.1280〕

5に諸仏称讃の益。諸仏が行者を称賛すること。

 法を聞きてよく忘れず、見て敬ひ得て大きに慶ばば、すなはちわが善き親友なり。このゆゑにまさに意を発すべし。  〔無量寿経下 p.47〕
 もし念仏するものは、まさに知るべし、この人はこれ人中の分陀利華なり。  〔観無量寿経 p.117〕

6に心光常護の益。仏の大慈悲心より念仏の行者を照触する光明を心光と云う。念仏の行者はこの心光に照らされ護られる。

 かの仏の心光つねに この人を照らして、摂護して捨てたまはず  〔観念法門 p.618〕

7に心多歓喜の益。念佛の行者は初歓喜地の菩薩の未来に成佛することが間連なしと決定して心常に歓喜すること。
8に知恩報徳の益。念佛の行者はすでに至徳を具足し大利を獲得してから、今は佛恩を報謝すぺき身ととなること。
9に常行大悲の益。他力信心の行者は自信のままを人に勤めて自ら佛の大悲を行ずる身となること。

 『大悲経』(意)にのたまはく、「なにをか名づけて大悲となす。 もしもつぱら念仏相続して断えざるものは、その命終に随ひてさだめて安楽に生ず。 もしよく展転してあひ勧めて念仏を行ずるものは、まさに知るべし、これらをことごとく大悲を行ずる人と名づく」と。  〔安楽集 p.264〕

10に正定聚に入る益。成佛に定まる位を正定聚と云う。又、不退位と云う。念佛の行者は信の一念に此位に入って未來は必ず成佛する。

 「易行道」とは、いはく、ただ信仏の因縁をもつて浄土に生ぜんと願ずれば、仏願力に乗じて、すなはちかの清浄の土に往生を得、仏力住持して、すなはち大乗正定の聚に入る。  〔浄土論註 .p47〕

還生

 涅槃界から復活すること。実大乗の意に依れば、二乗の人は一旦無余涅槃界に入るが、余業いまだ尽きないので若干の劫数を経て還って心身を生じ来たって、大乗の菩提心を發して成佛すと立つ。

 一旦破戒して佛海の死屍となるもの、懴悔して正命を復するを還生と云う。

 若違2三歸1而歸2邪師邪法邪衆1。破2五戒乃至二百五十戒中重罪1。即成2法死人1。因2懴戒1。故云2還生1。  〔止観輔行〕