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ごきょうしょう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

華厳五教章

四巻または三巻。詳しくは『華厳一乗教義分斉章』という。華厳一乗教分記、華厳教分記、華厳経中一乗五教分斉義、五教章などともいう。

 唐の法蔵<643-712>の著。成立年不詳。別教一乗の華厳の優秀性を論述して、同別二教・五教・十宗の教判を明確にしたものである。

 和本(天平元<729>頃に審祥が将来)、宋本(宋代に再校開板)の二種あり、標題、順序などが異なる。わが国では主に和本を用いている。
 内容は10章に分かれる。

  1. 一乗の意味と華厳一乗独特の性格
  2. 一乗三乗の教義とその利益
  3. 中国の代表的十師の仏教観
  4. 華厳宗の五教十宗の教判
  5.      〃
  6. 教の起こった時間的前後によって各教を判別して華厳が本教であることを示す
  7. その理由
  8. 一乗三乗の相違点を一○門に分けて論ず
  9. 十玄門・六相を説き(和本と宋本とは9-10が逆になる。今は和本による)
  10. 心識・種性・修行

 華厳教学が仏教中で最も勝れているとする。仏教全体の中に華厳経を体系的に位置づけており、華厳教学の研究上、『探玄記』と併せて重視される。

大正蔵45巻[1]