たんげんき
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華厳経探玄記
20巻。唐の法蔵の著。成立年不詳。
『六十華厳経』(晋訳)に対する註釈書。華厳宗の根本宗典とされる。10章から成る。
第一巻に初めの九章を収め、華厳経についての総論として、
- 華厳経が説かれた由来
- 仏教全体にこの経が占める位置
- 華厳宗の教相判釈を明かし
- この経に相応する衆生の機根を論ず
- 経説の本質
- 経の中心的な教義
- 経の題名の詳しい解説
- 華厳経の種類や伝訳の経緯
- 華厳宗の綱要である十玄門について論ず
第2巻以後に、経文の解釈を行っている。
法蔵は師の智儼が著わした『華厳経捜玄記』の釈風を継承しつつ、多くの経や論、諸家の学説を縦横に引用し、華厳経の玄旨の解明を試みている。古来必読の書とされ、多数の註釈がなされた。
大正蔵35巻[1]