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ごち

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

五智

pañca jñānāni (S)

 五種の智。

大日如来の智体

 大日如来の智体を別開したものであり、

  1. 法界体性智 dharma-dhātu-svabhāva-jñāna 清浄法界の意味
  2. 大円鏡智 ādarśa-jñāna
  3. 平等性智 samatā-jñāna
  4. 妙観察智 pratyaveṣaṇā-jñāna
  5. 成所作智 kṛtyānuṣṭhāna-jñāna

の5つである。

三十七尊の中に於いて、五方の仏位に各一智を表するなり。東方阿閦仏は大円鏡智を成ずるに因り、亦金剛智と名づくるなり。南方宝生仏は平等性智を成ずねに由り、亦潅頂智と名づくるなり。西方阿弥陀仏は妙観察智を成ずるに由り、亦蓮華智と名づくるなり。北方不空成就智は成所作智を成ずるに由り、亦羯磨智と名づくるなり。中方毘廬遮那仏は法界智を成ずるに由りて本と為す。   〔菩提心論〕

仏所得の智

 仏が悟りを開いて得る智慧。

  1. 仏智
  2. 不思議智
  3. 不可称智
  4. 大乗広智
  5. 無等無倫最上勝智
仏智、不思議智、不可称智、大乗広智、無等無倫最上勝智を了せず。    〔無量寿経 巻下〕

 この中で、仏智が総であり、後の4つが別である。

不了仏智とは、謂く仏の一切種智を信了すること能わず。不了の故に、故に疑を起す。此の一句は総じて所疑を弁ず。下の四句は一々に所疑を対治す。    〔略論安楽浄土義〕

 不思議智とは、略論に

謂く仏の智力は能く少を以て多と作し、多を以て少と作し、近を以て遠と爲し、遠を以て近と爲し、軽を以て重と爲し、重を以て軽と爲し、長を以て短と爲し、短を以て長と爲す。是の如き等の仏智は無量無辺不可思議なり。    〔略論安楽浄土義〕

という。また、無等無倫最上勝智とは

凡夫の智は虚妄なり。仏智は如実なり。虚実玄に殊なれば、理等しきを得ることなし、故に無等と云う。声聞・辟支仏は知る所あらんとも亦限あり。仏は如実三昧を得、常に深定に在りて而も遍く萬法の二と無二とを知照す。深法は倫に非ざるが故に無倫と言う。八地以上の菩薩は報生三昧を得て用に出入なしと雖も、而も習気徴薫の三昧極めて明浄ならず。仏智に形待すれば猶お有上と為す。仏は智断具足し、法の如くして而も照らす、法無量なるが故に照も亦無量なり。譬えば函大なれば蓋も亦大なるが如し。故に最上と言う。    〔略論安楽浄土義〕

聖者の智慧

 聖者の証得する智に5種の別があるのを言う。

  1. 法住智
  2. 泥洹智
  3. 無諍智
  4. 願智
  5. 遍際智

これは『成実論』第16に出る。