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しぜん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

四禅

 新訳では四静慮<しじょうりょ>という。初禅(新訳では初静慮。以下これに準じる)・第二禅・第三禅・第四禅の総称。色界禅定にこの四階位がある。これをまとめて定静慮といい、これに対してこれらを修めることによって、それぞれ色界の四禅天に生まれて得る果報を生静慮という。四禅の差別は禅定に伴う心所(心のはたらき)などの有無によって立てられる。

初禅

 初禅では尋(旧訳では覚)・伺(旧訳では観)・喜・楽・定(心一境性)の五支 (五つの要素)がある。

第二禅

 第二禅に入れば尋・伺は滅して内等浄を加える。

第三禅

 第三禅に入れば喜が滅して行捨・正念・正慧・受楽・定の五支となる。

第四禅

 第四禅では楽も滅して行捨・念清浄・非苦楽受・定の四支となる。
 それぞれの静慮それ自体は根本定といわれ、これに対してその加行つまり入門となる準備的段階を近分定と呼ぶ。ただし初禅の近分定は末至定と呼ばれるから、四禅について未至定と三の近分定と四根本定とがある。初禅の根本定までは尋も伺もあるから有尋有伺定、初禅の根本定と第二禅の近分定との中間に中間定があって、これは無尋唯伺定(尋が滅してしてただ伺のみある定)、第二禅の近分定以上はまとめて無尋無伺定と呼ばれる。第四禅に入れば八災患(尋.伺・苦・楽・・喜・出息・入息の八。禅定を動乱させるもの)を離れるから、第四禅をまた不動定と呼び、これに対してそれ以下を有動定という。

 四禅を得て増上慢を起こし、「われは四沙門果(預流果.一来果・不還果・阿羅漢果)を得た」と称した比丘のことが『大智度論』巻17に出ており、これを四禅比丘という。