だいにちきょうしょ
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大日経疏
20巻。具名『大毘毘盧遮那成仏経疏』。善無畏の説、一行の記。〔大正蔵 vol.39〕
開元13年(725)、善無畏が『大日経』を訳してのち、弟子の一行のために経の深義を講義したもの。
大日経7巻36品の中の前6巻31品を解釈している。その中で、初めの住心品の註釈を「口の疏(くちのしょ)」と名づけて密教を理論的に説明し(初心者に講義されるもの)、具縁品以下30品の註解は「奥の疏」と称して、密教の実践的な方法行儀を具体的に説いたもので、事相の秘密相承である(灌頂を受けないものには講義しない)。
空海の将来本であるから真言宗ではとくに重んじる。空海の大日経開題は大部分本書の解釈に従い、東密ではもっぱらこの疏による。