ちようぶく
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
調伏
damana, vinaya (S)、「じょうぶく」とも読む。
抑制・制御の意味である。内的には身心を調和し制御して、自らの悪徳や悪行をしりぞけ、外的には敵意ある者を教化し、障害をもたらすものを打ち砕くこと。
律典(毘奈耶)をさすこともある。密教で行われる「調伏法」は、「降伏法」「折伏法」ともいい、いくつかある修法体系の一つに数えられる。
五大明王などの威力ある尊格を本尊にいただき、護摩を焚いて敵や怨霊などを打ち破る修法で、原型は古く『アタルヴァヴェーダ』中に見出される。
「調伏法」の原語はabhicārakaまたはābhicārikaで、魔法をかける意味である。わが国では平安中期以降鎌倉期にかけて流行し、対立者の破滅や呪詛の消除、内乱の鎮圧、外敵の征服などを祈願して行われた。