にょらいしょうき
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
如来性起
ここで如来というのは、宇宙と合一した、真理としての仏のこと。宇宙の真理そのものが、ありのままで起こり展開しているのがこの世界であるという。これは、のちの如来蔵縁起説なるものへと直結し、本覚思想を開花させ、ますます大乗仏教をヒンドゥー教的な一元論へと接近させる根源としての役割を果たした。
「性起」というのは、「体性現起」の意味であり、縁起の究極的事態をさす華厳経学の用語。性は本性・実性。起は、起こっていることを意味する。ものの体性がそのまま現われていること。法性そのままの現われ。もろもろの違った形が現われ出るということ自体が性であるという主張。本来、不起なる真如の体性そのものが、「不住によるがゆえに」そのままに現起していることをいう。