にんのうはんにゃきょう
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(にんのうきょうから転送)仁王般若経
2巻。詳しくは『仁王般若波羅蜜経』といい、『仁王経』とも略称する。後秦の鳩摩羅什の訳と伝えるが、中国で成立した経典とも見られている。
異訳として、唐の不空の訳と伝える『仁王護国般若波羅蜜多経』2巻がある。仏が波斯匿(プラセーナジット Prasenajit)王のために説いた教えで、般若波羅蜜の法を誦持することによって、国家を守護し繁栄させることができると説かれる。政権による教団支配を非難するなど、中国での史実の反映が見られ、既に梁代から疑経と見られていた。古くから護国のための経典として尊重され、この経を講讃して鎮護国家を祈願する仁王会が中国・高麗・日本を通じてさかんに行われた。
奈良時代から、『法華経』、『金光明経』と合わせて護国三部経の一つに数えられる。
註釈
などがあり、末疏も多い。