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にんのうはんにゃきょう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

にんのうきょうから転送)

仁王般若経

2巻。詳しくは『仁王般若波羅蜜経』といい、『仁王経』とも略称する。後秦の鳩摩羅什の訳と伝えるが、中国で成立した経典とも見られている。
 異訳として、唐の不空の訳と伝える『仁王護国般若波羅蜜多経』2巻がある。仏が波斯匿(プラセーナジット Prasenajit)王のために説いた教えで、般若波羅蜜の法を誦持することによって、国家を守護し繁栄させることができると説かれる。政権による教団支配を非難するなど、中国での史実の反映が見られ、既に梁代から疑経と見られていた。古くから護国のための経典として尊重され、この経を講讃して鎮護国家を祈願する仁王会が中国・高麗・日本を通じてさかんに行われた。
 奈良時代から、『法華経』、『金光明経』と合わせて護国三部経の一つに数えられる。

註釈

  • 仁王護国般若経疏 5巻 智顗
  • 仁王般若経疏 6巻 吉蔵
  • 仁王経疏 6巻 円測
  • 仁王護国般若波羅蜜多経疏 7巻 良貢
  • 仁王経疏 4巻 浄源
  • 仁王経開題 1巻 空海

などがあり、末疏も多い。