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ふぜんまむち

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

不染汚無知

akliṣṭa-saṃmoha: akliṣṭam ajñānam (S)

 けがれのない無知・おろかさ。煩悩ではない無知。生死流転の原因とならない無知。「不染無知」ともいう。
 染汚無知の対。声聞独覚とは染汚無知を断じているが、いまだ不染汚無知を断じておらず、ただ仏のみが不染汚無知を断じている。
 無知(ajñāna)は無明(avidyā) とも言い換えられるから、不染汚無知は「不染汚無明」・「不染無明」ともいわれる。

 菩提とは清浄智・一切智・無滞智をいい、一切の煩悩幷びに諸の習気を余すことなく永く害し、一切種に遍する不染無明を余すことなく永く断ず。是れを無上正等菩提と名づく。
 声聞独覚、雖滅諸冥、以染無知畢竟未断故、非一切種。所以者何。由於仏法極遠時処及諸義類無辺差別、不染無知、猶未断故。〔『倶舎』1、T29-1a〕