ほうしょ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
法処
dharma-āyatana (S)「ほっしょ」とも読む
法(ダルマ)なるところ。認識(の生ずる)拠点としての存在。認識の門としての存在領域。考えられるものという場。考えられるものというよりどころ。非感覚的対象。十二処の一つ。〔倶舎論1、〕
- 受領納隨觸 想取像爲體 四餘名行蘊 如是受等三 及無表無爲 名法處法界 〔倶舎論1、T29.0003c〕
十二処のなかの法処。六識(眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識)のなかの意識の対象。この意味での法処と全存在を五位に分ける分類法(心・心所・色・不相応行・無為)と対比させると、五位のなかの無表としての色と心所と不相応行と無為とが法処に相当する。
涅槃のこと。
- 択滅涅槃は、是れ常、是れ善、不変、不易、生老病死の壊すること能わざるところ、是れ勝義の法なり。彼の法は唯だ此の処に在りて摂せらるるが故に独り法処と名づく。〔大毘婆沙論73、T27. 380b〕