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ほっけげんろん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

法華玄論

10巻。随の吉蔵の著・成立年不詳。吉蔵が江南の会稽にいた時の作。三論教学の立場にたって『法華経』の大意とその要義を解釈したもの。

  1. 弘経の方法 経を弘めるについての諸問題を論じ、併せて翻訳の縁起・講経の縁起・所弘の経を説く
  2. 大意    16種の因縁を明らかにする
  3. 釈名    経の首題を詳説
  4. 立宗    慧遠などの13家の説を批判して自己の立場を鮮明にする
  5. 決疑    般若・浄名(維摩)などの諸経と法華経との同異を問題とする
  6. 随文釈義  順次に法華経諸品中で問題になる諸点を論ずる

の6門に分かれている。

 吉蔵の法華観を知るだけではなく、先代もしくは同時代の学者のと説を多数引用し批判しているから、それらの古い学説を知る上にも、重要な資料である。
  • 大正 巻34