ほんがくげてん
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本覚下転
『釈摩訶衍論』に「本覚下転始覚上転」の義がある。本覚に性浄本覚と随染本覚の2(二種本覚)があって、本覚下転は随染本覚の相である。
随染の本覚は衆生の染縁に随って衆生の相に順って種々に現じて利益を為すことを言っている。始覚上転とは本覚の内薫智に依って如実に修行し究竟智を発することを言う。
- 始覚凡に背し聖に向かう。上上去去次第に転を為す。随染本覚聖に背し凡に向かう。下下来来次第に転ずと為す。‥‥証して説経に言う。諦聴すべし諸の佛子。我具縛の凡從り一切地を具す。行因の海円満にして、大覚果を荘厳す。我清浄地より具(ツブサ)に一切地を経てまさに一切萬行すべし、第一信位得て。無明蔵海に入り、是の如く二の大事、一時に前後非ず。〔釋摩訶衍論3、T32.0619c〕