六即
天台宗の立てる修行の階位。本来の立場からは佛凡一体であり、その点を「即」で示す。しかし修行の立場では、浅から深への進展があるので、その点を「六」で示し、両者が別のものでない点を六即という。
- 理即 如来蔵の理のことで、一切衆生に道理として具っている。
- 名字即 如来蔵の理が自已に具わることを、名字の上で知ること。まだ実践がない。
- 観行即 天台の実践、観行の初段階。五品位のこと。十乗観法を修す。
- 相似即 真の証悟に相似する位。円融三諦の観が深まり、見思の惑を断じ、真証に相似の智慧を生じ、六根清浄の功徳を得る位。
- 分真即 十住などの四十一位で、順次に四十一品の無明を断ずるので、分真即という。円教の十住は別教の十地と同じ。
- 究竟即 修行の完成。窮極の証り。