じゅうろくしん
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
十六心
真理(諦)を見ることにおける16の心。四つの真理(苦・集・減・道の四諦)の一つ一つに法忍(詳しくは法智忍)・法智・類忍(詳しくは類智忍)・類智の4つが生じるから、全部で次の16の心がある。
- 苦法智忍
- 苦法智
- 苦類智忍
- 苦類智
- 集法智忍
- 集法智
- 集類智忍
- 集類智
- 滅法智忍
- 滅法智
- 滅類智忍
- 滅類智
- 道法智忍
- 道法智
- 道類智忍
- 道類智
これら十六心のなか、前の十五心が見道の位、第十六心である道類智が修道の位にあたる。
忍と智との違いは、真理を証するに至る前段階の心の働きが忍であり、この忍によって認可されたものを決定的にしる心の働きが智である。
〈唯識〉はこの十六心は安立諦(言葉で語られた真理)を対象とする見道(相見道)に属すると説く。
cf. 『倶舎』23、T29-121a以下 : 『成唯識論』9,T31-50a~b