操作

「そうおう」の版間の差分

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(ページの作成:「=相応= ==1==  教説の内容の主題によって類別して配列されたもの。<br> (P) saMyutta、(S) saMyukta ==2==  伴うこと。伴われること。...」)
 
(5)
 
(同じ利用者による、間の2版が非表示)
3行目: 3行目:
 
==1==
 
==1==
 
 教説の内容の主題によって類別して配列されたもの。<br>
 
 教説の内容の主題によって類別して配列されたもの。<br>
(P) saMyutta、(S) saMyukta
+
(P) <big>saṃyutta</big>、(S) <big>saṃyukta</big>
  
 
==2==
 
==2==
 伴うこと。伴われること。<br>(S) anvita〔『唯識三十頌』T31-60b〕〔『成唯識論』T31-7b〕
+
 伴うこと。伴われること。<br>(S) <big>anvita</big>〔『唯識三十頌』T31-60b〕〔『成唯識論』T31-7b〕
  
 
==3==
 
==3==
 
 結びついている。ともにある。結合。結合関係。結びつくこと。結びつき。関係。<br>
 
 結びついている。ともにある。結合。結合関係。結びつくこと。結びつき。関係。<br>
(S) yukti 〔『大悲空智経』T18-587c〕〔真諦訳『倶舎論』T29-301b〕<br>
+
(S) <big>yukti</big> 〔『大悲空智経』T18-587c〕〔真諦訳『倶舎論』T29-301b〕<br>
(S) saMbandha〔『倶舎論』T5-19c〕〔『正理門論』〕<br>
+
(S) <big>saṃbandha</big>〔『倶舎論』T5-19c〕〔『正理門論』〕<br>
(S) saMyoga<br>
+
(S) <big>saṃyoga</big><br>
(S) pratisaMyukta 〔『四教儀註』〕 〔『天台五教章』〕
+
(S) <big>pratisaṃyukta</big> 〔『四教儀註』〕 〔『天台五教章』〕
  
不相応 (S) asaMyoga 〔『倶舎論』T29-137c、T29-288c〕
+
不相応 (S) <big>asaṃyoga</big> 〔『倶舎論』T29-137c、T29-288c〕
  
 
==4==
 
==4==
 
 心が心の作用と結びついていること。(心と心所とが)互いに結びつくこと。<br>
 
 心が心の作用と結びついていること。(心と心所とが)互いに結びつくこと。<br>
(S) saMprayukta 〔『倶舎論』〕<br>
+
 等しく和合するという意味。法と法とが相互にあい和し離れない関係にあること。特に心と[[しんじょ|心所]]との間の関係についていうことが多い。[[ろくいん|六因]]のうちの'''相応因'''はこれであり、『倶舎論』6に五義平等を相応と名づけるとするのもこれである。『雑集論』5には、あい離れない(不相離)、和合する(和合)、あつまる(聚集)、同時に生じ同時
(S) saMprayoga 〔『倶舎論』〕
+
に減する(倶有)、目的を同じくする(所作)、心と心所とが一つの対象に対してひとしくはたらく(同行)の六種相応を説く。このうちで前の5は主として色法(物質)についていうもの。この外、函と蓋と一致するのを函蓋相応、教えを受ける者(機)と教えとが一致するのを機教相応という。<br>
 +
(S) <big>saṃprayukta</big> 〔『倶舎論』〕<br>
 +
(S) <big>saṃprayoga</big> 〔『倶舎論』〕
  
 
==5==
 
==5==
 
 唯識説においては、(心理作用の)連合。心と心作用は、同一の感覚機官を媒介として起こり、同一の対象・表象・時・本質をもつ。この一致の関係を相応(連合)という。結合していること。いっしょになっていること。<br>
 
 唯識説においては、(心理作用の)連合。心と心作用は、同一の感覚機官を媒介として起こり、同一の対象・表象・時・本質をもつ。この一致の関係を相応(連合)という。結合していること。いっしょになっていること。<br>
(S) saMprayoga 〔『瑜伽論』T30-363c〕〔『唯識二十論』T31-74c〕<br>
+
(S) <big>saṃprayoga</big> 〔『瑜伽論』T30-363c〕〔『唯識二十論』T31-74c〕<br>
(S) saMprayukta〔『唯識三十頌』T31-60b〕〔『成唯識論』T31-26c〕
+
(S) <big>saṃprayukta</big>〔『唯識三十頌』T31-60b〕〔『成唯識論』T31-26c〕
  
:与四惑相応 klezaiz caturbhiH sahitam 〔『轉識論』〕
+
:与四惑相応 kleśaiś caturbhiḥ sahitam 〔『轉識論』〕
  
 
:末那相応‥‥煩悩(末那識が起こるときには、はたらきが必ず起こる煩悩)〔『五教章』〕
 
:末那相応‥‥煩悩(末那識が起こるときには、はたらきが必ず起こる煩悩)〔『五教章』〕
33行目: 35行目:
 
==6==
 
==6==
 
 首尾一貫していること。理に合していること。<br>
 
 首尾一貫していること。理に合していること。<br>
(S) yukti<br>
+
(S) <big>yukti</big><br>
(S) sambaddha 〔『瑜伽論』因明〕
+
(S) <big>sambaddha</big> 〔『瑜伽論』因明〕
  
 
:無義相応    〔『中阿含経』T2-777c〕
 
:無義相応    〔『中阿含経』T2-777c〕
  
:義相応せざるが故に (S) artha-ayogaat
+
:義相応せざるが故に (S) <big>artha-ayogāt</big>
  
 
:不相応(道理に合しない)   〔『順中論』T30-42a〕
 
:不相応(道理に合しない)   〔『順中論』T30-42a〕
44行目: 46行目:
 
==7==
 
==7==
 
 合すること。<br>
 
 合すること。<br>
(S) mela 〔『大悲空智経』T18-592b〕
+
(S) <big>mela</big> 〔『大悲空智経』T18-592b〕
  
 
==8==
 
==8==

2020年9月4日 (金) 17:55時点における最新版

相応

1

 教説の内容の主題によって類別して配列されたもの。
(P) saṃyutta、(S) saṃyukta

2

 伴うこと。伴われること。
(S) anvita〔『唯識三十頌』T31-60b〕〔『成唯識論』T31-7b〕

3

 結びついている。ともにある。結合。結合関係。結びつくこと。結びつき。関係。
(S) yukti 〔『大悲空智経』T18-587c〕〔真諦訳『倶舎論』T29-301b〕
(S) saṃbandha〔『倶舎論』T5-19c〕〔『正理門論』〕
(S) saṃyoga
(S) pratisaṃyukta 〔『四教儀註』〕 〔『天台五教章』〕

不相応 (S) asaṃyoga 〔『倶舎論』T29-137c、T29-288c〕

4

 心が心の作用と結びついていること。(心と心所とが)互いに結びつくこと。
 等しく和合するという意味。法と法とが相互にあい和し離れない関係にあること。特に心と心所との間の関係についていうことが多い。六因のうちの相応因はこれであり、『倶舎論』6に五義平等を相応と名づけるとするのもこれである。『雑集論』5には、あい離れない(不相離)、和合する(和合)、あつまる(聚集)、同時に生じ同時 に減する(倶有)、目的を同じくする(所作)、心と心所とが一つの対象に対してひとしくはたらく(同行)の六種相応を説く。このうちで前の5は主として色法(物質)についていうもの。この外、函と蓋と一致するのを函蓋相応、教えを受ける者(機)と教えとが一致するのを機教相応という。
(S) saṃprayukta 〔『倶舎論』〕
(S) saṃprayoga 〔『倶舎論』〕

5

 唯識説においては、(心理作用の)連合。心と心作用は、同一の感覚機官を媒介として起こり、同一の対象・表象・時・本質をもつ。この一致の関係を相応(連合)という。結合していること。いっしょになっていること。
(S) saṃprayoga 〔『瑜伽論』T30-363c〕〔『唯識二十論』T31-74c〕
(S) saṃprayukta〔『唯識三十頌』T31-60b〕〔『成唯識論』T31-26c〕

与四惑相応 kleśaiś caturbhiḥ sahitam 〔『轉識論』〕
末那相応‥‥煩悩(末那識が起こるときには、はたらきが必ず起こる煩悩)〔『五教章』〕

6

 首尾一貫していること。理に合していること。
(S) yukti
(S) sambaddha 〔『瑜伽論』因明〕

無義相応    〔『中阿含経』T2-777c〕
義相応せざるが故に (S) artha-ayogāt
不相応(道理に合しない)   〔『順中論』T30-42a〕

7

 合すること。
(S) mela 〔『大悲空智経』T18-592b〕

8

 因果応報のはたらき〔八宗綱要〕

9

 ふさわしい〔選択集 T83-10b〕

10

 「ヨーガ」のことを指すことがある。