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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(放逸)
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 放逸は[[しんじょ|心所]](心のはたらき)の名。放縦にして欲望の働くままに流され、善を励まない心の状態。[[くしゃしゅう|倶舎宗]]ではすべての染汚心(不善心と[[うぶくむき|有覆無記]]心)と相応して起こる心所の一として大煩悩地法に数え、[[ゆいしきしゅう|唯識宗]]では大随惑の一とする。<br>
 
 放逸は[[しんじょ|心所]](心のはたらき)の名。放縦にして欲望の働くままに流され、善を励まない心の状態。[[くしゃしゅう|倶舎宗]]ではすべての染汚心(不善心と[[うぶくむき|有覆無記]]心)と相応して起こる心所の一として大煩悩地法に数え、[[ゆいしきしゅう|唯識宗]]では大随惑の一とする。<br>
 放逸とは逆に、悪を防ぎとどめ善に専注する精神作用を'''不放逸'''といい、倶舎宗ではすべての善心に通じて起こる心所の一として大善地法に数え、唯識宗でも善の心所の一とする。
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 放逸とは逆に、悪を防ぎとどめ善に専注する精神作用を'''[[ふほういつ|不放逸]]'''といい、倶舎宗ではすべての善心に通じて起こる心所の一として大善地法に数え、唯識宗でも善の心所の一とする。
  
 
 懈怠と貪と瞋と痴との4つから成り立つ。随煩悩の一つ。
 
 懈怠と貪と瞋と痴との4つから成り立つ。随煩悩の一つ。

2021年6月4日 (金) 14:55時点における最新版

放逸

pramāda: pramatta: ptamādya (S)

 放逸は心所(心のはたらき)の名。放縦にして欲望の働くままに流され、善を励まない心の状態。倶舎宗ではすべての染汚心(不善心と有覆無記心)と相応して起こる心所の一として大煩悩地法に数え、唯識宗では大随惑の一とする。
 放逸とは逆に、悪を防ぎとどめ善に専注する精神作用を不放逸といい、倶舎宗ではすべての善心に通じて起こる心所の一として大善地法に数え、唯識宗でも善の心所の一とする。

 懈怠と貪と瞋と痴との4つから成り立つ。随煩悩の一つ。

於諸善品、不楽勤修、於諸悪法、心無防護故、名放逸。    〔瑜伽師地論89、T30-802c〕
云何放逸。於染浄品、不能防修、縦蕩、為性。障不放逸、増悪損善所依、為業。謂、由懈怠及貪瞋癡、不能防修染浄品法、総名放逸。    〔成唯識論6、T31-34b〕