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出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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(悪作)
 
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::おさ南都では「おさ」とよみ、北嶺では「[[あくさ]]」と読んだ。倶舎では特に「あくさ」とよみ、唯識では「おさ」とよむ。
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:: 南都では「'''おさ'''」とよみ、北嶺では「[[あくさ]]」と読んだ。倶舎では特に「あくさ」とよみ、唯識では「おさ」とよむ。
  
 悪い行ない。<br>
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 悪い行ない。[[|]]ともいう。心所(心のはたらき)の名。自分がかって為した行為(所作)が悪かったと追想して後悔すること。倶舎宗では八不定地法の一とし、不善をなしたことを、または善をなさなかったことを追悔することをいい、無記の所作についてはいわない。唯識宗では四不定の一とし、「おさ」と読んで、所作を悪<ニク>んで追悔することと解し、善・悪・無記の三性の所作に通じていう。<br>
 アビダルマでは[[しんじょ|心作用]]のうちの[[ふじょうほう|不定法]]の一つ。過去の悪い行ないに対して、そのあやまちを悔いる心作用。
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 唯識説で立てる不定法の一つ、[[け|悔]]の異名。自分がかつてなした善悪の行為を嫌悪して追悔すること。後悔の心作用。〔『瑜伽師地論』、T30-280b, 510c〕
 
 唯識説で立てる不定法の一つ、[[け|悔]]の異名。自分がかつてなした善悪の行為を嫌悪して追悔すること。後悔の心作用。〔『瑜伽師地論』、T30-280b, 510c〕
  
 
: 悪作は万の我作す所を悪しき事したりとて後に悔む心也、かかる故に悔の心所と名く。〔『唯識大意』〕
 
: 悪作は万の我作す所を悪しき事したりとて後に悔む心也、かかる故に悔の心所と名く。〔『唯識大意』〕

2023年4月25日 (火) 21:59時点における最新版

悪作

kaukṛtya (S)

 南都では「おさ」とよみ、北嶺では「あくさ」と読んだ。倶舎では特に「あくさ」とよみ、唯識では「おさ」とよむ。

 悪い行ない。ともいう。心所(心のはたらき)の名。自分がかって為した行為(所作)が悪かったと追想して後悔すること。倶舎宗では八不定地法の一とし、不善をなしたことを、または善をなさなかったことを追悔することをいい、無記の所作についてはいわない。唯識宗では四不定の一とし、「おさ」と読んで、所作を悪<ニク>んで追悔することと解し、善・悪・無記の三性の所作に通じていう。

 唯識説で立てる不定法の一つ、の異名。自分がかつてなした善悪の行為を嫌悪して追悔すること。後悔の心作用。〔『瑜伽師地論』、T30-280b, 510c〕

 悪作は万の我作す所を悪しき事したりとて後に悔む心也、かかる故に悔の心所と名く。〔『唯識大意』〕