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+ | [[へんぎょう|遍行]]の[[しんじょ|心所]](細かい心作用)の一つ。心を始動せしめて対象に向けしめる心作用。〈唯識〉は、'''作意'''とは、深層の[[あらやしき|阿頼耶識]]のなかに[[しゅじ|種子]]として眠っている心をおどろかし喚起して目覚めさせ、目覚めた心を対象に向けしめる心作用であると説く。 | ||
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+ | 作意、謂、能令心警覚。〔『倶舎』4,T29-19a〕 | ||
+ | 作意、引心令趣自境。此若無者、心応無故。〔『成論』5、T31-28a〕 | ||
+ | 作意者、謂、阿頼耶識種子所生、依心所起、与心倶転相応、動心、為体、引心、為業。〔『顕揚聖教論』1、T31-481a〕 |
2018年7月22日 (日) 14:13時点における最新版
作意
manaskāra: manasikaraṇa: manasikāra (S)
考える、思考する、思索すること。原語manaskāraは、こころ(manas)を働かす(kāra) という意味。種類として、次のように多くの分類がなされる。
- 3種。自相作意・共相作意・勝解作意〔『倶舎』7,T29-40a〕
- 4種。力励運転作意・有間欠運転作意・無間欠運転作意・無功用運転作意〔『瑜伽師地論』28、T30-438b〕
- 7種。了相作意・勝解作意・遠離作意・摂楽作意・観察作意・加行究寛作意・加行究寛果作意〔『瑜伽』33、T30-465c〕
- 40種。略〔『瑜伽』11、T30-332c〕
遍行の心所(細かい心作用)の一つ。心を始動せしめて対象に向けしめる心作用。〈唯識〉は、作意とは、深層の阿頼耶識のなかに種子として眠っている心をおどろかし喚起して目覚めさせ、目覚めた心を対象に向けしめる心作用であると説く。
作意、謂、能令心警覚。〔『倶舎』4,T29-19a〕 作意、引心令趣自境。此若無者、心応無故。〔『成論』5、T31-28a〕 作意者、謂、阿頼耶識種子所生、依心所起、与心倶転相応、動心、為体、引心、為業。〔『顕揚聖教論』1、T31-481a〕