「しょうじょうぶっきょう」の版間の差分
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− | + | 原語は「劣った乗物」の意。「下劣乗」と訳すこともある。<br> 自利よりも利他を標榜し強調する[[ぼさつぎょう|菩薩行]]の仏教徒が自分たちの教えを「[[だいじょうぶっきょう|大乗]]」(すぐれた乗物)と呼称し、[[しょうもん|声聞]]と[[えんがく|縁覚]]の[[にじょう|二乗]]に対して、自利を図ることしかしないとして名付けた貶称。<br> | |
− | + | このうち声聞乗は、大乗興起時代の守旧的で、煩瑣な教学に明け暮れた[[ぶはぶっきょう|部派仏教]]を指していると考えられるが、彼等自身が自らを小乗と称したわけではない。<br> | |
− | + | また今日、南方仏教を時に小乗仏教と呼ぶことがあるが、上の由来を考えれば適切でない。 | |
− | : | + | :あるいは大乗をとき、小乗をとき、あるいは実教をひろめ、権教をひろむ。 〔黒谷上人語灯録(11)〕 |
2019年2月4日 (月) 07:52時点における最新版
小乗仏教
hīna-yāna हीनयान (skt)
原語は「劣った乗物」の意。「下劣乗」と訳すこともある。
自利よりも利他を標榜し強調する菩薩行の仏教徒が自分たちの教えを「大乗」(すぐれた乗物)と呼称し、声聞と縁覚の二乗に対して、自利を図ることしかしないとして名付けた貶称。
このうち声聞乗は、大乗興起時代の守旧的で、煩瑣な教学に明け暮れた部派仏教を指していると考えられるが、彼等自身が自らを小乗と称したわけではない。
また今日、南方仏教を時に小乗仏教と呼ぶことがあるが、上の由来を考えれば適切でない。
- あるいは大乗をとき、小乗をとき、あるいは実教をひろめ、権教をひろむ。 〔黒谷上人語灯録(11)〕