「こくう」の版間の差分
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
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インド人もギリシア人も、地水火風を[[しだい|四大]]と称して最重要視したうえで、'''虚空'''はそれらに場所を提供するところから、第五の要素として扱い、ここにエーテルを認めた説もある。<br> | インド人もギリシア人も、地水火風を[[しだい|四大]]と称して最重要視したうえで、'''虚空'''はそれらに場所を提供するところから、第五の要素として扱い、ここにエーテルを認めた説もある。<br> | ||
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上述の[[むげ|無礙]]のほか、無限や遍満(へんまん)などの喩えにも用いられる。 | 上述の[[むげ|無礙]]のほか、無限や遍満(へんまん)などの喩えにも用いられる。 | ||
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+ | なお、[[うぶ|有部]]では、空界(すきま)と区別して、我々の眼に見える[[くう|空]]は空界であって、虚空ではないとする。 |
2014年9月17日 (水) 19:29時点における版
虚空
aakaaza (skt.)
現在の概念でいう、「空間」のこと。一切諸法の存在現象が起こる場としての空間のことを言う。
そこでは、いっさいのものがなんの礙(さまた)げもなく、自由に存在し運動し変化し機能することができる。このため「空」の説明にも活用された。
インド人もギリシア人も、地水火風を四大と称して最重要視したうえで、虚空はそれらに場所を提供するところから、第五の要素として扱い、ここにエーテルを認めた説もある。
仏教で、全存在を諸要素(二法)に分類して、有為法(つくられたもの)と無為法(つくられたのではないもの)とに二分するさい、虚空は無為法の一つに数えられる。
- 無為法としての虚空は、自然界に経験される虚空界(事物としての虚空)とは区別される別のもの
上述の無礙のほか、無限や遍満(へんまん)などの喩えにも用いられる。