「かんじん」の版間の差分
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
16行目: | 16行目: | ||
利欲の心すすまねば、勧進聖もしたからず 〔一遍語録〕 | 利欲の心すすまねば、勧進聖もしたからず 〔一遍語録〕 | ||
---- | ---- | ||
− | + | [[かんぼう|観法]]のことを指すことがある。 |
2017年5月9日 (火) 05:11時点における最新版
勧進
人びとを教化して仏道に入らせること。浄土教の場合は念仏を勧めること。
勧進
社寺堂塔の造営・修覆・造像・写経・鋳鐘あるいは架橋・溝池掘削・道路建設など、種々の作善(さぜん)に結縁(けちえん)して善根を積むことを勧め、金品を募集すること。起源は奈良時代の行基のころから始まる。
鎌倉時代初期の、東大寺を再建した重源が有名である。勧進を名目として広く遊行(ゆぎょう)して募財をする半僧半俗のものを「勧進聖(ひじり)」といった。
勧進(中世)
中世においては、寺社は庄園などを失い、国家領主などからの援助を得がたくなったので、勧進聖が事業のすべてを請け負って、修理再建などに当った。寺社の縁起や霊験など募財の趣旨を記したものを「勧進帳」と呼ぶ。また勧進の事務を行う所を「勧進所」と呼ぶが、浄財の寄付を求めてお札(ふだ)・御影(みえい)などを渡す所をもいう。また尼の姿で勧進するものを「勧進比丘尼(びくに)」と呼んだが、ふつう熊野比丘尼と呼ばれたように、熊野信仰を絵解(えとき)によって宣伝した(歌比丘尼)。
勧進(近世)
近世になると、売色をするものも現れた。勧進聖が請け負った寺社の資金調達のために、さらに芸能者に下請けさせて芸能の興行を開催し、その観覧料をあてることが行われ、その主催するものを「勧進元」と呼んだ。
近世になるとこの語は興行主を意味するようになった。
六角堂の焼失の時、かの勧進のために、日々に説法ありけり 〔沙石集(6-8)〕
利欲の心すすまねば、勧進聖もしたからず 〔一遍語録〕
観法のことを指すことがある。