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「びばしゃ」の版間の差分

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

(毘婆沙)
(毘婆沙)
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=毘婆沙=
 
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 「vibhaaSaa」の音写である。an option, alternative; optionary of a rule。選択、択一、ある規則の選択的摘要
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 「<big>vibhāṣā</big>」の音写である。an option, alternative; optionary of a rule。選択、択一、ある規則の選択的摘要
  
 
 『玄応音義』巻17には「種々説」「分々説」「広説」の意味があるという。この中、「毘婆沙」は主として広説の意味に用いられるとしている。<br>
 
 『玄応音義』巻17には「種々説」「分々説」「広説」の意味があるという。この中、「毘婆沙」は主として広説の意味に用いられるとしている。<br>
 普光の『倶舎論記』に「毘」を「広」または「勝」「異」などの意味であるとしているが、それはサンスクリットのviを解釈したものである。<br>
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 普光の『倶舎論記』に「毘」を「広」または「勝」「異」などの意味であるとしているが、それはサンスクリットの「vi」を解釈したものである。<br>
 
 アプテの『梵英辞典』によれば接頭字の「毘」について次のようにいう。①separation, disjunction ②difference ③variety ④manifoldness。次に「婆沙」については「説」であると『光記』は解釈している。<br>
 
 アプテの『梵英辞典』によれば接頭字の「毘」について次のようにいう。①separation, disjunction ②difference ③variety ④manifoldness。次に「婆沙」については「説」であると『光記』は解釈している。<br>
 
 このサンスクリットから「毘婆沙」は'''「種々の説をかかげ、それらを批判しながら、やがて勝説を確立してゆくような体裁をもつもの」'''をいうと考えられる。
 
 このサンスクリットから「毘婆沙」は'''「種々の説をかかげ、それらを批判しながら、やがて勝説を確立してゆくような体裁をもつもの」'''をいうと考えられる。
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===倶舎論===
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 『倶舎論』に出てくる「毘婆沙」は、[[びばしゃし|毘婆沙師]]あるいは彼らの造った『[[ばしゃろん|婆沙論]]』を指す。

2017年5月26日 (金) 17:54時点における版

毘婆沙

 「vibhāṣā」の音写である。an option, alternative; optionary of a rule。選択、択一、ある規則の選択的摘要

 『玄応音義』巻17には「種々説」「分々説」「広説」の意味があるという。この中、「毘婆沙」は主として広説の意味に用いられるとしている。
 普光の『倶舎論記』に「毘」を「広」または「勝」「異」などの意味であるとしているが、それはサンスクリットの「vi」を解釈したものである。
 アプテの『梵英辞典』によれば接頭字の「毘」について次のようにいう。①separation, disjunction ②difference ③variety ④manifoldness。次に「婆沙」については「説」であると『光記』は解釈している。
 このサンスクリットから「毘婆沙」は「種々の説をかかげ、それらを批判しながら、やがて勝説を確立してゆくような体裁をもつもの」をいうと考えられる。

倶舎論

 『倶舎論』に出てくる「毘婆沙」は、毘婆沙師あるいは彼らの造った『婆沙論』を指す。