しゅじ
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
種子
密教では、「しゅじ」と読んで、「種子字」の意味である。仏・菩薩などの各尊を一字で標示した梵字を指す。一字無量の義をを生じるから、草木の種子に譬えて「種子」と名づけた。
- 一般仏教では「種子」は「しゅうじ」と読む習わしである。
通常、悉曇文字の一文字で象徴することによって、仏などを標示する。この種子を通して仏などを観ずるのを種子観という。種子を輪形に連結して順逆を観ずるのを字輪観という。また、種子で描かれた曼荼羅を種子曼荼羅という。
- 種子と言うのは、引生の義、摂持の義。 仁王経軌
- 作字曼荼羅とは、経中に種子の字ありて、まさに法の如くにこれを置くべし。 大日経疏 六
- 以下、種子の字を説く。一字より、よく多く生じるが故に、種子と名づくなり。 大日経疏 十
- 仏両足尊に阿字を説いて種子となす。種子はよく多果を生ずる。一々また百千万数を生じる。ないし、展転無量不可説なり。 大日経疏 十七