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さんざんのほうもん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

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三三の法門

 三経、三願、三機、三往生などの名によって組織された教え。六三分別、六種の三法ともいう。
 浄土真宗で、浄土往生の教えを要門・真門・弘願門の三門に分け、前の二を方便、後の一を真実とする。
 この要・真・弘願三門の名称は善導の用語に基づいている。

要門

 要門は自己の修める種々の善行をさしむけて浄土に生まれようとする教えであって、「少しの善根福徳の因縁による教え」という意から福徳蔵と名づける。
 阿弥陀四十八願中の第十九願(至心発願の願)から出た教えで、観無量寿経に顕説され、教えを受ける相手は邪定聚の機(定散二善の機)で、その果としては阿弥陀仏の化土に生まれるから双樹林下往生という。
 双樹林下とは釈迦仏が入滅した沙羅双樹の下ということで、その名をかりて阿弥陀の化土を表わしたものである。

真門

 真門は自己が称える念仏の力によって浄土に生まれようとする教えであって、「不可思議功徳(即ち名号)による教え」という意から功徳蔵と名づける。
 阿弥陀四十八願中の第二十願(至心廻向の願)から出た教えで、阿弥陀経に顕説され、教えをうける相手は不定聚の機(自力念仏の機)で、その果としては弥陀の化土に生まれるから難思往生という。
 難思とは思慮のおよばないとの意であり、名号の功徳による果であるからはかりがたいことをいい、後にいう難思議往生に比べれば浅いから議の字を略したものである。

弘願門

 弘願は自己の能力によって浄土に生まれようとする心を捨てて、阿弥陀の本願にまかせる教えであって、「仏の福徳と智慧との二荘厳がまどかに具わった教え」という意から福智蔵と名づける。
 阿弥陀四十八願中の第十八願(至心信楽の願)から出た教えで、無量寿経に説かれ、教えをうける相手は正定聚の機(弘願念仏の機)で、その果としては弥陀の報土に生まれるから難思議往生という。
 難思議とは因も果もすべてが凡慮の及ばないものであることを表わす。