龍樹の著作とされている大乗仏教の論書のひとつ。409年に鳩摩羅什が漢訳したのであるが、さんすくりっと原典・チベット訳ともに存在していない。さらにインド仏教史にもその痕跡がない。龍樹の真撰が疑われている。 26の偈とその註釈文によってこうせいされており、そのうちの17偈は中論からとられている。
中論・百論と合わせて三論と呼ばれ、中国三論宗の所依の論書となった。註釈として、吉蔵の十二門論疏が著名であり、日本でも蔵海の十二門論宗致義記がある。