Ratnasaṃbhava (S)
金剛界五仏のうち南方の如来。『金光明経』の四方四仏の南方・宝相如来との関連が指摘されるが問題が残る。財宝性を象徴する宝部の主仏で、金剛宝・金剛光・金剛幢(どう)・金剛笑の四菩薩(しぼさつ)を眷属とする(四親近(ししんごん)菩薩)。図像的には望みをかなえる与願印を結ぶ。
『五部心観』や金剛界八十一尊曼荼羅という金剛界系異図曼荼羅では馬座をとる。五智中ではあらゆるものの平等を説く平等性智を司る。教義的には胎蔵五仏の開敷華王(かいふけおう)如来と同体であるとする。