じゅうぎょう
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十行
『華厳経』に説く十行。今、『60華厳経第11功徳華聚菩薩十行品』 菩薩修行に於て十信十住において自利を満足したりといえども、利他の行がいまだ満たされていないから、この部分が通過できていない。
- 歓喜行
仏子となりたる菩薩が如来の妙徳をもって、十方に随順する。 - 饒益行
一切衆生を利益する。 - 無瞋恨行
自覚覚他すれば違逆するものなきを云ふ。
また無恚恨とも無違逆ともいう。 - 無尽行
衆生の機類に随って其の身を現じ、三世平等にして十方に通達し、利他の行無尽なるをいう。 - 離痴乱行
種々の法門不同なりといえども、一切合同して差誤なきをいう。 - 善現行
離痴乱の故に、能く同類中に異相を現じ、一々の異相に各同相を現じ、同異円融なるをいう。 - 無着行
十方虚空に微塵を満足し、一々塵中に十方界を現じ、塵界留礙せざるをいう。 - 尊重行
難得行ともいう。前の種々現前はみなこれ般若観照の力なり、故に六度の中特に般若波羅蜜を尊重するなり。 - 善法行
円融の徳よく十方諸佛の軌則を成ずるをいう。 - 真実行
前の円融の徳相、一々皆これ清浄無漏にして、一真無為の性、本来常恒なるをいう。
cf.五十二位