大集経
『大方等大集経』(mahaa-saMnipaata-suutra) 60巻
中国の隋代に僧就(そうじゅ)が、北涼の曇無讖訳の大集経29巻(or 30巻)に、隋の那連提黎耶舎(なれんだいりゃしゃ)訳の月蔵経12巻、日蔵経15巻などを合わせて一経としたものである。
菩薩のために無礙(むげ)の教えを説くことを標榜(ひょうぼう)して、正法の守護を宣揚するが、全体として密教的色彩が濃厚である。第9宝幢分には転女成男(てんにょじょうなん、女が男に生れかわる)の思想、第15月蔵分には末法思想の根拠とされる五五百歳(仏滅後を五百年ごとに区切って、正法の衰退を主張する)の思想が示されている。