「不住涅槃とも訳す。「apratiSThita-nirvaaNa अप्रतिष्ठितनिर्वाण」(skt.)
完全な涅槃にも住せず、煩悩のある迷いの世界にもとどまらない涅槃をいう。 完全な涅槃にとどまっていては悩みのある多くの人びと(衆生)を救うことができないし、生死の悩みに束縛されていては自らもさとることができないから、生死を脱した涅槃にも生死界にもとどまらず衆生を救うという。菩薩が大悲をもって衆生界で活躍するという大乗仏教の菩薩行を背景として生れた語である。