じねんげどう
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自然外道
svabhaava-vaada
あらゆる存在(一切法,一切万物)は因縁によらないで自然に有る、とする説で、万物を創造したという主宰神のような造作する者とか、人間の意志の自由というような観念をすべて否定する。三十種外道の一つといわれる。
自然の思想
自然という思想は、
- 例えば、蓮華の花が生じてその色が鮮やかなのも、誰かが色を染めたというのでもない。自然に鮮やかなのである。また、棘(とげ)の先端が鋭く尖っているのも、誰かが先端を削りとって尖らせているのでもなく、すべて自然にそうなっているのだから、万物の生成は無因に生じたものである 〔大日経疏(2)〕
という。このような考えは、六師外道の1人マッカリ・ゴーサーラの
- 人間の苦・楽の果報は行いによらず自然に定まっている 〔注維摩詰経(3)〕
とみる説、或いは、同じ六師外道の1人アジタ・ケーサカンバラの
- 一切法は自然にして存在し、因縁に従わず 〔維摩経義記(2本)〕
とする説と比べられる。