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いちほっかい

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

一法界

 「一」とは比較するもののないことを示すから、二・三に対する一ではない。世界の全体が心に収まるから、心に対立する他のものはない。その点を「一」という。

 『起信論義記』には

如理・虚融・平等・不二の故に称して一となす

と説明する。
 法界とは、法の界のことで、この場合の法は聖法すなわち成佛の法、界(ダートウ dhātu)はここでは「因」の意味である。衆生心は聖法出生の因であるから、一法界という。それが心真如である。

 『不増不減経』に

一切の愚癡凡夫如実に一法界を知らざるが故に

の語があり、『起信論』はこの「一法界」の思想を受けたのであろう。
 『中辺分別論』に

法界とは聖法の因を義となす

の説があり、これと合致する思想である。『義記』には「一法界とは無二の真心」のことであると説明している。