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えんとん

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

円音

 円は完全の意。佛陀の説法の言葉をいう。一音(いっとん)ともいう。
 佛陀が一音で、大乗、小乗をならび説くと解釈する「大小並陳」の説(菩提流支)と、如来の一音を、衆生はその機根に応じて異なって解するとなす「全音異解」の説(鳩摩羅什)と、一音は機の感ずるに随うもので、定限なく「妙用無方」となす説(華厳宗)などがある。これらを「一音教」という。
 その根拠は

如来は一音もて法を演説するも、衆生は力に随いて各々解を得るなり

の偈文による。この偈は、『維摩経』「佛国品」および『大毘婆沙論』巻79に出る。また『異部宗輪輪』にも、大衆部・一説部・脱出世部などが、

佛は一音を以て一切法を説く

と主張していたことをいう。佛教に古くからこの説があったことが知られる。