ちゅうぶきょうてん
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目次
中部経典
南伝の主にパーリ語で書かれた三蔵の経典部の中で、中部の経典類をまとめた仏典である。特に「中部」とは「中ぐらいの長さの経典の集成」をいう。全体は3篇・15章・152経からなっている。各篇は元は50経であったが、のちに2部付加されたらしい。
中部は、その内容から、長部のように豊かな物語性があり、相応部のように深い哲学性があり、増支部のように新しい註釈性があり、しかも中程度の長さゆえに、理解しやすい経典である。なお、説法の対象は比丘(出家)中心になっているが、それも仏教の本質を単刀直入に、実践的に述べようとする場合の一方便であり、最終的には四衆(在家・出家)すべてに親しむことのできるものと言ってよい。
1.「根本五十経篇」(Mūla-paṇṇāsaka)50経
- 根本法門の章 (10経)
- 獅子吼の章 (10経)
- 比喩の章 (10経)
- 大一対の章 (10経)
- 小一対の章 (10経)
2.「中分五十経篇」(Majjhima-paṇṇāsaka)50経
- 資産家の章 (10経)
- 比丘の章 (10経)
- 出家の章 (10経)
- 王の章 (10経)
- バラモンの章 (10経)
3.「後分五十経篇」(Upari-paṇṇāsaka)52経
- デーヴァダハの章(10経)
- 不断の章 (10経)
- 空の章 (10経)
- 分別の章 (12経)
- 六処の章 (10経)