ぎき
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儀軌
密教の本経に説ける佛菩薩天神等を念誦供養する儀式軌則を記せる書を儀軌という。
- 儀は儀形。軌は軌則。〔金剛頂經開題〕
と、もと龍樹の誦出したのが最も広博である。その中より不空善無畏の三蔵がこれを抄出して伝訳したものが今の儀軌である。中国では、宋元以下の大蔵経の中にこれを載せている。しかし日本では最澄や空海等の8家がそれぞれ彼地より将来したものが数百巻ある。
その中、元禄年間黄檗山から乾兌離震巽坎艮坤の八号外に總目録を合せて75冊187部324巻を印刷発行した、これがいわゆる「秘密儀軌」であり、これを「本儀軌」と称するのである。
黄檗山では、経典類の5冊15部17巻を刊行して、これを「十五経」と呼んでいる。
その後正徳元年、武城霊雲寺から摂大軌、廣大軌、成佛軌、成就瑜伽軌、合せて4冊11巻を刊行する。これを「四部儀軌」と呼んでいる。
次に享保年間豊山から13冊67部72巻が刊行され、これを「享和儀軌」と呼んでいる。
総じて109冊であり、その他蔵経の中になお数百巻の儀軌があり、弘教書院発行の縮刷藏經の中に総てこれを網羅している。