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げしゃく

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

解釈

bhāṣya (S)

 「解説」「解釈」と同意。


vyākhyāna, vārttika (S)

 意義を説明すること。


upadeśa (S)

 教示。  〔倶舎論1〕


 経典などの意味を理解し註釈すること。

経論の解釈

 通常まず題号や大意を説明し(玄談玄義)、次いで文章をおって解釈する(入文解釈随文作釈)方式が用いられる。
 例えば智顗の『法華玄義』は『法華経』の玄義、『法華文句』はその入文解釈である。智顗は玄義を(名称)・(本質)・(目的)・(はたらき)・(仏教全体の組織)について論じ(五重玄義)、その解釈法として七番共解という方式を用いた。即ち、名体などの論ずべき問題を提示し(標章)、経典を引用して証拠とし(引証)、名体などの順序を論じ(生起)、分析綜合して考え(開合)、問答的に論じ(料簡)、名体などを対象に観心修行し(観心)、他の異説を評価して高い立場からそれを理解して受け入れる(会異)方式である。

語句の解釈

 語句などを解釈する方法には、各宗で固有の解釈法があり、三論宗・天台宗・真言宗などの四釈はその例である。

三論の四種釈義

 三論の四種釈義とは、依名釈義(随名釈義)・因縁釈義(互相釈義)・顕道釈義(理教釈義、見道釈義)・無方釈義の 4で、吉蔵がその著書『二諦義』や『三論玄義』などに用いた。
 例えば真とは真実の意というように世間一般の意味どおりに解するのを「依名釈義」、真は独立して真としてあるのではなく、俗という対照的なものを因縁として相依的にあるから真は俗、俗は真であると解するのを「因縁釈義」、だから真といい俗といっても固定的なものでなくてもともと無相のものであると解するのを「顕道釈義」、無相がそのもののはたらきとして不定に現れたものとして真も俗も一切法に他ならないと解するのを「無方釈義」という。

天台の四釈例

 天台の四釈例(四大釈例、四種消釈、四種消文)とは因縁釈・約教釈・本迹釈・観心釈の4で、智顗は『法華文句』の中でこれを用いた。

  1. 教法の説かれた因縁すなわち四悉曇によって四種の解釈をするのを「因縁釈」
  2. 化法の四教判に基づいて四種の解釈をするのを「約教釈」
  3. 本迹二門の立場から二種の解釈をするのを「本迹釈」
  4. 教説の内容を自己の心にひきよせて実相の理を観じて解釈するのを「観心釈」

という。

真言の四重秘釈

 真言の四重秘釈とは、浅略釈・秘密釈(深秘釈)・秘密中秘釈(秘中深秘釈)・秘秘中秘釈(秘秘中深秘釈)の4で、一行の『大日経疏』と不可思議の『大日経供養次第法疏』との解釈法を総合したもの。
 例えば、

  1. 顕教の説のように阿字は梵王の説であると解するのを「浅略」
  2. 大日如来が阿字本不生を説くと解するのを「深秘」
  3. 阿字自らが本不生を説くと解するのを「秘中深秘」
  4. 本不生の理に自ら理と智があって自ら本不生を覚ってこれを説くと解するのを「秘秘中深秘釈」

という。

 また真言宗では、梵字・真言などを解釈するのに十六玄門釈がある。