さんがんてんにゅう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
三願転入
浄土真宗で、方便(真実に導くためのてだて)の教えから真実の教えに至るまでの信仰のうつりゆきの過程を、阿弥陀仏の四十八願のうち、第十九願(要門(ようもん))から第二十願(真門(しんもん))へ進み、ついで第十八願(弘願(ぐがん))に転入すると説明すること。
この順序はまず聖道の教えを捨てて浄土に生まれることを願い(第十九願)、次に諸行を捨てて念仏を修め(第二十願)、最後に自力の心を離れて他力の願心に帰依する(第十八願)こととなる。
親鸞が教行信証化身土巻本に、自己の入信経路を第十九願から第二十願を経て第十八願に入ったと述べているのによる。
これについて、浄土真宗では、
- 真実の教えを信じるためには誰でも三願転入という順序を要するのか、それとも必ずしも要しないのか
- 親鸞の三願転入は、例えば源空の教えを受けて弟子となったというような生涯の特定な事件に結びつけられる事実として解釈すべきか
- 他力信仰の論理的構造を三願転入の名であらわしたものと見るべきか、
という問題などについては、諸説があって一定しない。