さんけん
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
三賢
大乗の十住十行十回向の菩薩をいう。
また、三十心とも言われる。十聖と比べられる。つまり、地前の菩薩位に三階三十心の別があることを言うのである。
- 三賢十聖は果報に住し、唯仏一人のみ浄土に居す。〔仁王般若波羅蜜経上、T08.0828a〕
- 三賢の法を修して聖人位に入る。〔本業瓔珞經疏、T85.0758a〕
- 三賢の菩薩は三界の煩悩、麁の業道、麁の相続果を伏して亦を起こさず。〔菩薩瓔珞本業經、T24.1016b〕
cf.三賢十聖
ただし、三賢三十心(=十住・十行・十回向)の名称に関しては諸説あって、『菩薩瓔珞本業経』には十住十行十回向をもって三賢として、『仁王般若波羅蜜経』には十信習種性、十止性種性、十堅心道修性を三賢とし、『梵網経』巻上では、十発起・十長養・十金剛をもって三賢とする。
普通には、この中の『瓔珞経』『華厳経』の説によって、住行回向の三十心を三賢として、十信はただ行であって位ではないから三賢には含めないで「外凡」と言い、三賢を「内凡」と呼ぶのである。