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じゅうえこう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

十回向

 菩薩の五十二位の修道階位のうち、第三十一位から第四十位までをいう。

 十廻向の第一には、まず諸々の波羅蜜を行じ、無量の善根を修することが述べられ、次に

 平等観に入りて怨親無きが故に常に愛眼を以て諸の衆生を視る

とあってさらに、

 我れ当に彼の三悪道(地獄・餓鬼・畜生)の中に於て、悉く代りて苦を受け、解脱を得せしむぺし
 我れ当に一一の悪道に於て、未来劫を尽くして諸の衆生に代りて無量の苦を受くべし

などといわれる。

 ここには、はっきり「代受苦」の考え方が出ている。そもそも廻向というのが、自分が労苦して修行した功徳を他者にさし廻してしまうことであり、まさに代受苦の実践であろう。この修行なしに、菩薩道は完成しないのである。

梵網経

『華厳経』に説く十廻向。今、『60華厳経第14金剛幢菩薩十廻向品』に従って名のみを挙げれば次の如くである。

  1. 救護一切衆生離衆生相廻向
  2. 不壊廻向
  3. 等一切仏廻向
  4. 至一切処廻向
  5. 無尽功徳蔵廻向
  6. 随順平等善根廻向
  7. 随順等観一切衆生廻向
  8. 如相廻向
  9. 無縛無著解脱廻向
  10. 法界無量廻向