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しゅっせ

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

出世

 世に出ること。この世界に出現すること、特に衆生救済のためにこの世に生まれ出ること。
 法華経(寿量品)に

諸仏の出世は値遇すべきこと難し

とある。また「出世間(しゅっせけん)」の略で、世間を超出し、俗世間を離れた仏道の世界の意。そこから僧侶を「出世者」とよび、さらに世俗社会を厭い離れた世捨て人をも出世者という。

 わが国では特に公卿・殿上人などの貴族の子弟の出家したものをさし、これらは昇進が早く位を極めるところから、僧侶が高位に昇って大寺の住持となることをいい、さらに一般に立身栄達をとげることをいうようになった。
 本来は修行得法ののち寺院に住し、仏に代わって教化(きょうけ)を行うところから「出世」といった。

仏の番々に出世して、衆生を仏に成さんとし給ふ    〔明恵遺訓〕