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しんじかんきょう

出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』

心地観経

8巻。詳しくは『大乗本生心地観経』

 出家して閑静な処に住し、観察して仏道を成就すべきことを説く。

 この経典は、父母・衆生・国王・三宝四恩を説くことで有名である。中に自性身(じしょうしん)、受用身(じゅゆうしん)(自受用身・他受用身)、変化身(へんげしん)の三身を説き、大円鏡智などの四智を説き、無漏法爾種子(むろほうにしゅうじ)の説を出し、さらには月輪観(がちりんかん)や三密(さんみつ)も説かれるなどしている。

 唐の般若訳とされるが、かなり後代に制作されたものと考えられている。


大乗本生心地観経

大乘本生心地觀經(だいじょうほんじょうしんじかんぎょう)
般若(はんにゃ)訳
(大正大蔵経 No. 159)

 『本生心地観経』とか、『心地観経』と省略されてよばれることもあるこのお経には、仏道を成じて悟りに到達するためには、出家して静かな場所に住し、すべての根源である心の中からあらゆる煩悩の炎を消すことが大切である、ということが説かれている。
 心地というのは、ちょうど大地があらゆる生物を生ずるように、人間の心こそが、清濁(せいだく)いずれの境地をも生ずる源泉であることをたとえたものである。
 一応出家者の修行について説いた経典であるが、全体で13章あるうちの第2章に「報恩品(ほうおんぼん)」というのがあり、そこに父母・衆生・国王・三宝(さんぼう)の四つに対する四恩が述べられていることから、日本においてはしばしば用いられてきた。