ずいぼんのう
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
随煩悩
upakleśa (S), upakkilesa (P)
したがって起こる煩悩。根本煩悩(随眠)に随伴する第2義的煩悩。随惑ともいう。
倶舎論の2義
『倶舎論』において二義がある。
- 一切の煩悩をさす。心にしたがって起こり、悩乱のはたらきをなすからである。
- 六随眠の根本煩悩に対し、それにしたがって起こる他の煩悩をいい枝末惑と名づける。
放逸・懈怠・不信・惛沈・掉挙・無慚・無愧・忿・覆・慳・嫉・悩・害・恨・諂・誑・憍・睡眠・悔の19種を数える。→五位七十五法
唯識
唯識の教義では、根本煩悩である六大惑に対して、それ以外の20をいう。
小随惑 10 忿・恨・悩・覆・誑・諂・憍・害・嫉・慳
中随惑 2 無慚・無愧
大随惑 8 不信・懈怠・放逸・惛沈・掉挙・失念・不正知・散乱
この3種20の煩悩は根本煩悩にしたがって起こるので、随煩悩と名づける。
- 煩悩が等流種類なる故に随煩悩と名く。 〔唯識大意〕