そうそく
出典: フリー仏教百科事典『ウィキダルマ(WikiDharma)』
相即
対立するように見える二つの事象・事物が実は一体不離であること。
華厳教学の縁起思想では「相即相入」という。華厳での「相即」とは、体の視点からすべての現象が密接不離であることをいい、「相入」とは、用(はたらき)の視点からすべての現象が密接不離であることをいう。
天台教学における四明知礼の説では、「即」に次の3種があるとする。
- 二物相合(にもつそうごう)の即 本体は別である二つのものが互いに離れない
- 背面相翻(はいめんそうほん)の即 本体は同一であるが現れた相が異なるという
- 当体全是(とうたいぜんぜ)の即 対立するように見える二つのものが、それ自体において同一であるとする
知礼は、背面相翻の即を別教とし、当体全是の即を円教であるとして、ここに真の相即論が成り立つとする。
- 我も仏の功徳を具し、仏も我等が功徳を具せり。互ひに具し互ひに相即して、仏も衆生も其の体一なり 〔菩提集〕