そじゅう

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麁重

dauṣṭhulya (S)

 身心の重々しい状態。顕在的には身心が束縛され自由に活動できない状態(不堪任性・無堪任性・無堪能性)をいう。潜在的には身心を重く汚れたありようにする可能力である、阿頼耶識のなかの煩悩種子(雑染の種子)をいう。軽安の反対。

 何等を軽安と為すや。謂く、身心の麁重を止息して身心を調暢するを体と為し、一切の障礙を除遣するを業と為す。
 於諸自体中所有種子、若煩悩品所摂、名為麁重、亦名随眠。〔『瑜伽』2,T30-284c〕
 現行現起煩悩、名纏、即此種子未断未害、名日随眠、亦名麁重。〔『瑜伽』58、T30-623a〕
 麁重相者、謂、所依中無堪能性。〔『摂論釈・世』3,T31-337b〕
 麁重有三義。一悩害義、唯染汚法。二無堪忍義、通無記法。三性有漏義、通有漏善。〔『略纂』1、T43-12c〕
 麁重言、顕煩悩種。対法論等説、種子麁重故、雖煩悩現行亦名麁重、無堪任性亦名鹿重。〔『述記』3末、T43-341a〕

種類

 次のような種類が説かれている。

  • 漏麁重・有漏麁重の2種〔『瑜伽』58、T30-625b〕
  • 在皮麁重・在肩麁重・在肉麁重の3種〔『瑜伽』48、T30-562b〕
  • 在皮麁重・在肉麁重・在心麁重の3種〔『瑜伽』73、T30-702a〕
  • 自性異熟麁重・自性煩悩麁重・自性業麁重・煩悩障麁重・業障麁重・異熟障麁重・蓋麁重・不正尋思麁重・愁悩麁重・怖畏麁重・助労麁重・飲食麁重・眠夢麁重・婬欲麁重・界不平等麁重・時分変異麁重・終没麁重・遍行麁重の18種〔『瑜伽』59、T30-627b〕
  • 一切遍行戯論麁重・領受麁重・煩悩麁重・業麁重・異熟麁重・煩悩障麁重・業障麁重・異熟障麁重・蓋麁重・尋思麁重・飲食麁重・交会麁重・夢麁重・病麁重・老麁重・死麁重・労倦麁重・堅固麁重・麁麁重・中麁重・細麁重・煩悩障麁重・定障麁重・所知障麁重の24種〔『集論』5,T31-685c〕